BBB MAG. / INTERVIEW2026.07.05 — TOKYO

【interview】Neygic× 秋山真三「売れますよ。見とけよマジで」.

BURN BABY BURN MAGAZINEINDEPENDENT MUSIC WRITING / 2026.07.05
FULL ARTICLE / 2026.07.05

2026年3月、東京を拠点に活動するバンド・Neygic(ネイジック)が『O TITTALN -EP』をリリースした。

2024年メンバー募集で彼と出会った。半年ほど一緒に活動し、ギターやベースを入れたり、DTMソフトのサポートをしたりした。

あの頃、彼の家で弾き語りで聴いて「これが形になったら面白い」と思った曲たちが、一年半ほど経って作品になった。

岡山から東京へ  


秋山 じゃあ音楽の話でも聞いてみようかな(笑)。

Neygic 掘っても何も出んすよ(笑)。

秋山 知ってる。結構知ってるから(笑)。まず、出身って岡山だっけ?

Neygic 岡山県。一応岡山市なんだけど、他の市との狭間みたいなところで。

秋山 岡山ってバンドシーンないの?

Neygic あんまりないな。ライブハウスは市街にあるけど、売れて全国を回ってるようなバンドが多い、というイメージかな。

秋山 岡山のバンドって、あんまし浮かばないな。

Neygic 岡山の人は藤井風しか知らない(笑)。でも芸人は結構いるよ。ロングコートダディとか、かが屋とか。

秋山 お笑いはいるんだ。でもバンドとなると、やっぱり少ないんだね。

Neygic そう。岡山でバンド組むのは難しいし、そもそも音楽やってる人が少ないから。

秋山 だから大学辞めて東京来たんでしょ。

Neygic そうそう。ちょうど上京して2年くらい。最初の一年はバイト探しとかしかしてなかったけどね。

「東京」って付けるのが恥ずかしかった

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秋山 最初から気になってたんだけどさ、「トキヨ」の冒頭にデモの時から“アイヨ”ってあったじゃん。あれ何なの?

Neygic 聞かれても困るんだけど、あんまり自分の中で分かんないんだよね。普通、モチーフとかあるやん。でもこれはあんまないというか。

秋山 弾き語りの段階からあった?

Neygic 曲作る時はギターで作るから。なんとなくの雰囲気ではあった気がする。

秋山 あれ印象的だよ。だって一番最初じゃん。しかも、なんで「東京」じゃなくて「トキヨ」なの?

Neygic 「東京」ってつけちゃったら、いっぱいあるし。差別化しにくいというか。あと恥ずかしい。

秋山 恥ずかしいから(笑)。シャイなのよ、本当に。

Neygic 大げさなことをしたら恥ずかしいなっていう。

秋山 歌詞にこだわりとかある? 結構歌詞デモから変わったよね。

Neygic こだわりはほんまにそんなないな。ニュアンスというか、雰囲気。ないと寂しいなっていう。

秋山 ないと寂しいんだ。

Neygic 歌詞つけて、シンプルに完成って感じ。

「普通なのが嫌」だけど、頭でっかちではない

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秋山 二曲目の「僧侶」は、最初のリフって最初からあったっけ?

Neygic 割とあった気がするけど、カチッとはしてなかったかな。雰囲気があるぐらい。後付けとか。

秋山 弾き語りから作ってるもんな。

Neygic 先に重要なとこから作ってって感じかな、大体。

秋山 ベースラインが変わっててよかった。ベースいい。

Neygic ほんま?

秋山 うん。ベーシストいるんだよね。

Neygic いるいる。ベースとドラムは割と任せてるかな。自分でやるのはギターと歌のところだけ。

秋山 でもコードは作るの上手いよね。適度に複雑。頭でっかちじゃない感じ。

Neygic 普通のコード進行が嫌なのはあるかな。

秋山 Steely Danとかキリンジみたいな、すんなり聴ける感じもある。

Neygic Steely Danはちゃんと聴いたことない(笑)。

秋山 聴いてないのに出てるのが面白いんだよ。

サイケポップバンドか

秋山 昔のサイケって聴くの?

Neygic 教科書に載ってるようなとこぐらいかな。ゾンビーズとか、ビートルズとか、ジミヘンとか。邦楽で言ったら坂本慎太郎さんとか、OGRE YOU ASSHOLEとか。

秋山 岡山にそういうの教えてくれる友達いたの?

Neygic いた。高校の時は、藤井風とかKing Gnuとかが割と初期の頃で、音楽詳しいやつが教えてくれてた。

秋山 割とポップスが根っこにずっとあるよね。ところで、なんでNeygicって名付けたの?

Neygic なんとなく響きで決めた。新語。別に何も意味ない。

秋山 意味ないんだ。でも分かりやすいよな。ジャケも雰囲気が出てると思う。

Neygic 友達に写真好きなやつがいて、作ってくれた。

そこから、サイケとは何かという話になる。フランク・ザッパ、幾何学模様、Tame Impala、Toro y Moi、MGMT、坂本慎太郎、Big Thief、Geese。名前だけはどんどん出てくる。

秋山 でも今で言ったらTame Impalaじゃない? 初期のTame Impala感、ちょっと出てるよ。「僧侶」のイントロとか。

Neygic 最近のしか聴いてなかったから分かんないけど。

秋山 サイケ自体がポップになってきてる感じあるよな。あんま詳しくないけど日本のロックもTempalayとか武道館でやれる規模なわけだし。

Neygic だから分かんないな。全部の間行きたいって感じかな。

秋山 でもNeygicはサイケでいいんじゃない? ジャンル名を言うんだったら、サイケポップになるのかな?

Neygic かっこいいね、それ。

秋山 かっこいいのかな……。でもサイケバンドではないじゃん。幾何学模様みたいな。

Neygic サイケポップバンドか‥

秋山 でもなんかジャケにだいぶ左右されるよね、サイケって。視覚的なものに左右されない? ロン毛とか、フレアパンツとか。

Neygic 結局人それぞれなんかな。サイケの定義。

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「Summer Die」が一番いい

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秋山 一番良かったのは「Summer Die」だよ。あれが一番いい。

Neygic 俺も好きやな、あれは。

秋山 「Summer Die」だけ一番変わってなかった気がする。僕がいた時はAメロしかなかったかもしれないけど。

Neygic イントロを最初に作るところから始まったもんな。そこで躓いて、違う曲やった気がする。

秋山 懐かしい。でも最後の「インガスンガスン」は、僕の時あったか怪しい。

Neygic 最後はなかった。あれはおまけに近いというか。音楽を始めてすぐぐらいに作った曲だから、自分の中では昔の曲って感じ。

秋山 あれが一番サイケ要素ないじゃん。エフェクトもあんまりかかってないし、構成もインディロックっぽい。ちょっと昔のUSっぽい。

Neygic そうそう。それこそ西海岸の。サーフミュージックみたいなイメージ。

秋山 自分も音源出した時思ったけど意外なものが一番再生されたりするのも面白いよね。

Neygic これからだから(笑)。

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二番煎じはやりたくない

秋山 前からさ、二番煎じをやりたくない気持ちってすごいあるよね。僕はフレーズとか引用するの好きだから。元ネタとか大好きだし。

Neygic それで一回揉めたよね(笑)。

秋山 揉めた(笑)。僕、曲作る時イントロとか全部パクるところから始めるから。

Neygic 別に許せんことはないよ。どんだけ頑張って考えたところで、元を辿れば何かしらの何かだったりするわけやん。自分で気づいてないだけで、みんな無意識にパクってると思う。

秋山 完全に新しいものはないもんね。

Neygic でも、そこに抗って初めて新しいものが生まれるかなって思う。

秋山 意識して引用した曲とかあるの? この四曲の中で。

Neygic 引用みたいなことはないな。マジでゼロやな、それは。あるとしたら最後の曲しかないかも。

秋山 僕は大滝詠一みたいに、何曲も元ネタが見える音楽もめっちゃ好きなんだけどね。

Neygic そこは真逆かも。

この曲はNeygicの制作に持ち込んだ曲でthe magnet fieldsのall my little wordのイントロを引用したもの

売れたい。音楽で飯を食いたい

秋山 でもドラマーが入って、ちょっとロック寄りになった感じあるよね。

Neygic ああ、なったかも。7月にライブでやる時は、もう少しロックっぽい雰囲気かもしれない。

秋山 僕がいた時って、Logicのドラマーと電子ドラムでパチパチしてたじゃん。あの時に比べたら、だいぶバンドっぽくなったと思う。

Neygic そうね。

秋山 あと、ボーカルの癖も結構あるよね。

Neygic 初めて言われた。歌も上手くなりたいな。普通に全部上手くなりたい。

秋山 録音の時、声って加工してる?

Neygic 加工? そんなんできんの?

秋山 できるできる。音程いじれるじゃん。Logicでデモ作ってた時、声は結構いじってたよ。オートチューンみたいな。

Neygic あ、そうなんだ。

秋山 でもちょっとロボット声みたいになるんだよね。ケロケロするというか。でもそれがないと、自分のデモは作れなかった。

Neygic 俺、恥ずかしがりやけど、下手なことに関してはあんまり恥ずかしいと思ってないかもしれない。

秋山 それはいいことなんじゃない? 僕はそれを隠すから、ずっと。

Neygic お前の方がシャイやん、やってることも(笑)。

秋山 たしかに(笑)。でも、だからこそライブはちゃんとやった方がいいと思う。音源だけじゃなくて、バンドとして見える場所がある方が強い。

Neygic いろんな人と繋がって、みたいな。

秋山 いろんな箱でやって、スタッフの人とも関係を作って。今の時代、アルゴリズムで戦うのも運任せじゃん。

Neygic アルゴリズムはあんま自信ないし。ちゃんと自分の力で掴めるのって、地道かもしれんけど、ライブとかそういうところかなって。

秋山 俺もDJとしてバズるのは、正直もう諦めてるところあるし。ロックDJって、アーティストとして見られるというより、場に対する需要で呼ばれることが多いから。

Neygic 厳しいんだ。

秋山 厳しい。だからこそ、バンドはライブで地を作れるのが強いと思う。MVにお金かけても、地がないと難しいもんね。

Neygic そうだね。それを作っていきたい。売れたいし。

秋山 売れたいんだ。

Neygic 売れたい。飯食いたい。音楽で飯食うのが目標なんで。

秋山 じゃあ売れてよ。

Neygic 売れますよ。見とけよマジで。

あとがき


前日に大きい地震があった為、地震が来た時風呂に入ってたら全裸で外へ逃げるべきか、パンツを履くべきか、という話になった。そこだけでしばらく盛り上がった。

「パンツ履いたが故に死んだら、すっごい悔しいやん」

Neygicはそう言っていた。

正直、『O TITTALN -EP』とは何の関係もない。
でも、彼の音楽にある妙な力の抜け方や、真面目なのか適当なのか分からない感じは、そういう会話にも出ている気がした。

neygic
7月29日にライブをするそうです。
その他のライブ予定も今後発表出来るそうなので
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